わが町『池渕・根ケ原』を学ぶ感動の2時間
池渕町会を中心に30名以上が集まった講演会
ふるさと文化館小宮佐知子先生のわかりやすいお話
11月30日(日)、「わが町『池渕・根ケ原』を学ぶ会(石神井町を中心とした地域を学ぶ)」が、石神井公園ふるさと文化館で開かれ、学芸員の小宮先生から応永2(1395)年8月以降の豊島氏の土地継承の系図という近世に始まった石神井の地名の由来や、江戸時代から明治大正昭和の資料に残るわが町の変遷について講演して頂きました。
わが町は三宝寺池という湧水に恵まれた程よい海抜50メートルの台地に立地し、縄文時代暮らしやすかった土地らしいです。また弁財天信仰(弁天社:現在の厳島神社)に由来する江戸講中の連々の徒がたくさん訪れ各地から寄付するという今でいう観光ブームがあったり、大都市「江戸」の近郊農村として、麦の裏作の特産物「練馬大根」を生み出し野菜の生産地として発展したのがわが町なのだそうです。
後半の講演は、いよいよ武蔵野鉄道が大正4(1915)年に開通したとき、住人らが身銭を切って石神井駅を開業したとか、鉄道会社も町の人々も一緒になってこの町の歴史や見所を宣伝し、鉄道完成の利便や喜びを現在も残る記念碑に表したとか、観光地化を推進するのにわが町の人々は自ら結成した社団法人石神井風致協会でやったとか、戦前の先人たちの活躍と苦心を情熱的に語ってくださいました。
石神井は昭和の混乱期には一時的に防空緑地にまで落ちぶれたらしいですが、戦後は昭和34(1959)年3月に都立石神井公園として開園し、東京復興に伴い宅地化が進み急激に人口も増加します。このあたりからは講演を聞く30数名の面々は自己の成長と生活の記憶が重なりはじめ、小宮先生のお話に追体験する気持ちで耳を傾けているみたいでした。
2時間弱の講演時間にはあまる内容の、それも初めて耳にするわが町の先人と歴史の話題は、次の世代にもしっかり伝えていきたいという気持ちを抱かせ、少なからぬ住民の誇りのような思いをむねに会場を後にしました。小宮先生ほんとうにありがとうございました。
11月30日(日)午後2時~3時30分
石神井公園ふるさと文化館 多目的会議室
ふるさと文化館学芸員 小宮佐知子先生講演