」と言います。野球を愛したフランクリン・ルーズベルト第32代米大統領が「一番面白いゲームスコアは8対7」と語ったことに由来します。WS最終戦は5対4の1点差でしたが、決して
ドジャーズを所有する持株会社の共同オーナーの一人は、バスケットボールのスーパースターであったマジック・ジョンソンです。彼は35年ほど前にエイズになりましたが、お金と医薬の力で回復したようで、昨日の優勝記念式典にその姿がありました。
野球豆知識その7
MLBには沈黙のルール(unwritten rules)が多数存在し、相手チームへの敬意や試合の品位を保つために守られています。
①試合終盤大量リードしているチームは盗塁やバント禁止
理由:勝敗がほぼ決している状況で追加点を狙うのは「弱い者いじめ」と見なされ、相手への敬意を欠く行為とされるから。
②大差でリードしている時は、3ボール、ノーストライクから打ちにいくのは避ける
理由:四球を狙うのが通例で、打ちにいくのは「追い打ちをかける行為」とされるから。
③ホームラン後の派手なパフォーマンスは控える
理由:相手投手への侮辱と受け取られることがあり、報復死球の原因になることもある。
④試合終盤、ノーヒットノーラン継続中のバントは避ける
理由:記録達成の妨害と見なされ、スポーツマンシップに反するとされる。
⑤デッドボールを受けても痛がらない、当たった箇所をさするそぶりもしない
理由:プロとしての矜持を示すため。痛がると「弱さ」と見なされる文化がある。
⑥相手投手のマウンドに立ち入らない
理由:投手の「神聖な領域」とされ、無礼と受け取られる。
⑦報復死球の暗黙の了解
理由:ルールではなく、「仁義」としての応酬。だが、近年は問題視されている。
但し、近年はデータ重視の戦略や国際化の影響でこれらのルールの解釈も変化しつつあります。若手選手やラテンアメリカ出身の選手はパフォーマンスを重視する傾向があり、伝統との摩擦も生じています。
野球豆知識その8
今日も、まとめて三つお話ししましょう。
①ホームベースは昔は四角形だった
現在は五角形のホームベースは、1900年迄は一塁、二塁、三塁と同じ四角形でした。それだとストライクとボールの判定が難しかったため、球筋が見やすい五角形に変更されました。
②監督が選手と同じユニフォームを着るのは野球だけ
他のスポーツでは、監督が
選手と同じユニフォームを着ることはありません。野球で監督が選手と同じユニフォームを着るのは、野球の黎明期に、当時の監督は選手兼任が多く、試合に出場する可能性があったためユニフォームを着ていました。その名残で、現在も野球監督は、サッカーのようにスーツではなく、
ユニフォーム姿なのです。
③三振を「K」と書くのは
三振を「K」と書きますが、英語のstrikeの過去形、過去分詞形のstruckの最後の文字から取ったと言われます。19世紀のスポーツライターのヘンリー・チャドウィックがスコアブック記録法を考案した際、三振をstrike outと表記する省略形として Sを使うと Sacrifice犠打、 Steal盗塁、 Single単打など他の用語と混同してしまうから、上記のようにKが採用されたそうです。
もう一つの説は打者が投手にノックアウトされたことを表わす比喩からKnock OutのKを取ったとするものです。
野球豆知識その9
三振について、もう少しお話ししましょう。
①Kは空振り三振を意味し、見逃し三振は逆さK
Kは空振り三振を意味しますが、見逃し三振は逆さKです。表記できませんがKを左右逆さに書けば分かります。
②空振りと見逃し三振をなぜ区別?
(投手の側からの評価):空振り三振は投手の球威や変化球が打者を振らせた証拠で、見逃し三振は投手のコントロールや配給が打者を惑わせた証拠です。記録上二つを区別することで、投手の能力分析がより詳細になるからです。
(打者の側の心理から):空振り三振は挑んだが届かなかったという積極性の証し。見逃し三振は手が出なかったという消極性や迷いの証し。ファンや解説者もこの違いを語ることで試合のドラマ性が増すと考えるからです。
③三振はアウトの一種に過ぎないのになぜ特別視されるのか?
これには四つ考えられます。
・ゴロやフライは守備の介在によって成立しますが、三振は投手と打者の1対1の勝負の純粋な決着です。
・投手の力量(球威、制球、配球)と打者の反応がダイレクトに三振には表われるため、象徴的なアウトとされます。
・観客にとっても投手が打者をねじ伏せた瞬間は劇的ですから、観客の歓声が大きくなります。
・投手の能力を測る指標(奪三振数、奪三振率)として重視されるからです。
④日本の三振観
これも四つ考えられます。
・三振は打者の失敗として意識される。
・打者は「当てて走れ」という精神が根強く、三振は消極的・不名誉な結果とされがち。
・応援団が「打て」と声を揃える中で三振すると、観客全体の落胆が大きくなる。
・三振は「期待を裏切る」瞬間として強調されやすい。
⑤アメリカの三振観
・MLBでは三振は恥ではなく、強く振った結果として肯定的に捉えられることが多い。
・ホームランを狙う打者は三振も多いが、攻めの姿勢の裏返しである。
・ベーブ・ルースやミッキー・マントルなどの伝説的ホームラン王は三振王でもあり、むしろ豪快さの象徴である。
・三振はただのアウトの一種として合理的に扱われる。
・ゴロやフライに比べて併殺のリスクがないため、戦術的には必ずしも悪くはない。
「三振王が英雄になれるアメリカ」と「三振を恥、失敗、消極性として精神論的に捉える日本」から見えてくるのは、"失敗許容度"の文化差かも知れません。これは、野球だけでなく、教育や仕事についても言えるでしょう。
野球豆知識その10
もう少しおまけの余談2連発をお話ししましょう。
①日米応援文化の違い
(日本NPBの場合)
・1950〜1970年代に応援団文化が確立。太鼓、トランペット、メガホンを使った「鳴り物応援」が定着している。
・学校の応援団文化や運動会の応援合戦の影響を引いている。
・礼儀やマナーを守る秩序ある応援が重視される。個人ではなく、団体の応援の傾向。
(アメリカMLBの場合)
・拍手、ブーイング、スタンディングオベーションなど、個人主導のリアクション。
・ビールやホットドッグ片手に自由に観戦。ウェーブやビーチボール遊びなど観客自身がエンタメの一部になる。
・応援歌や鳴り物はなく、個人の自由な楽しみ方が尊重される。
・試合中はマスコットや音楽イベントなど、球場全体がショー空間になっている。
まとめますと、日本は「集団の秩序と一体感」、アメリカは「個人の自由とエンタメ性」が応援文化の根本的違いです。
私は、日本の「のべつ幕なし 笛太鼓の応援」よりも、アメリカの「メリハリをつけた(投手が投げ、打者が打つ瞬間には、応援をピタッと止めて集中して一挙手一投足を見つめる)スタイル」の方が好きです。
②正岡子規が創作した野球用語 正岡子規は文学だけでなく、野球の普及に大きく貢献した文化人であることはご存じでしたか?
彼の訳語は、日本野球の基盤を作ったことでも知られています。
(現在も使われている用語)
・batter→打者
・runner→走者
・fly ball→飛球

(ユニークな訳語だったが、現在は廃れて使われていない)
・short stop→短遮
・drop ball→墜落
・home in→廻了
・out→除外
・home base→本基
・full base→満基
それでは今日はここまで、またお話ししましょう。
(*池渕町会のソフトボール部には、面白い人がたくさんいます。今年春に全国制覇した石神井スマイルの女子選手を育成したのもわがチームのメンバーたちです。そして、今回の投稿で、こんな話題を提供できる人がいることを、初めて知りました。これからもソフトボール部(石神井Breeze)は、もっともっと面白くなりますよ*)